Sculpture / Installation

　インスタレーション作品《Tree of Life (Party)》では、調光装置によって光の当たる位置がゆっくりと変化し、彫刻のシルエットが浮かび上がったり、影に沈んだりを繰り返す。その光と影の変化が、木の薄さと杢目の美しさを絶えず新しい形で映し出し、鑑賞者に木が呼吸しているかのような感覚を与える。

 

　木の削ぎ落とされた量感と浮かび上がる杢目の美しさを通じて、鑑賞者に自然と生命が刻む一瞬の「脆く繊細な美しさ」を感じさせる。同時に、それぞれの木が持つ痕跡や個性が浮かび上がることで、木そのものが語り、時間や環境の記憶を伝えるように独自の存在感を放つ。もののあはれの情感がそこに宿り、儚さと生命の移ろいを静かに映し出す。